午前6時、起床。
第58回勝田全国マラソン大会、当日の朝を向かえた。
シャワーを浴び、前日用意したリュックを背負い、
上野へ向かう。
スーパーひたち5号に乗り込み、
いざ、勝田へ。
周りの乗客は、もちろん参加者だらけ。
緊張感と高揚感にあふれている。
午前9時前、勝田駅に到着すると、あふれんばかりの人だかり。
スタート地点のある会場まで徒歩10分。
テーマソングが流れ、開会式が始まる。
午前11時のスタートまで、着替え、食事し、お手洗いに行くなど、
あわただしく時間が過ぎる。
荷物を預けに行くと、大混雑。
変な体力を使ってしまう。
そしていよいよ、スタート地点に向かう。
今年の参加者は、1万7千人。
スタート地点が見えないほどの人数。
カウントダウンが始まり、花火が上がるが、
列は動かない。
ゆるゆる歩き始め、6分後にスタート地点通過。
2kくらいまで、周りのスピードに合わせてジョグ。
目標タイムは、初マラソンで、4時間を切る、いわゆる【サブ4】。
長丁場のため、気になることは、早めに対処しておこうと、
スタート時、気になっていた右の靴紐を一度、結びなおす。
周りを見渡すと、沿道からの市民の皆さんの応援がすごい。
また、走り始め、ふと、目をやると、
大学時代の友人らしき女の子が立っていた!
確かに、彼女は、茨城出身だったが、こんなところで会う?
こちらは走っているので、立ち止まって確かめようもなく、
多分そうだろうと思いながら、走り続ける。
5kを越えたあたりで、トイレに行きたくなる。
そして、また、走り始め、給水を取り、13k地点で、もう一度、トイレ休憩。
緊張からか、不安からか、これまでになく、はじめの15kで休憩を多くとる。
ペースは、4時間をきるには、遅い。
しかし、無理にペースを上げると、後半持たないような気もする。
さらに、腿の裏が、ジンジンしだしている。
悩みながらも、現状ペースを維持して走る。
沿道にある公設のエイドステーションで、水をとり、
地元人たちが用意してくれる私設のエイドステーションで、
チョコ、バナナ、梅干などをいただく。
一緒に参加した会社の上司に聞くと、
豚汁、甘酒など、めちゃくちゃおいしい食べ物も用意してあったらしい。
しかし、自分は、予想以上に遅い自分のペースと足の痛みと、
早く走りたい気持ちとの葛藤のなか、
必要最低限の栄養摂取に抑えて、走っていた。
ハーフのタイム:2時間15分
これでは、4時間切りは、ほぼ無理。
あきらめかける気持ちと、挽回できるんじゃないかという淡い希望で、ペースを上げる。
30kまでは、走ったことのある距離。
足の痛みをだましだまし、気持ちを強く持って走る。
時たま、沿道の子どもたちと、ハイタッチを交わす。
これをすると、気持ちが高まり、がんばれる。
欽ちゃんの気持ちがすごくよくわかった。
33k地点、アップダウンが続く。周りのランナーは歩く姿が増える。
周りを見ると、気持ちが弱くなり、「歩いてもいいや」と思ってしまうので、
自分の足だけを見て、リズムよく足が前に出ていることだけに集中する。
そして迎えた、「魔の35k」。
どのような変化がおきるのか、少し楽しみであった距離。
それほど、たいしたことはないと一瞬思ったが、
水を飲んだそのとき、
走れなかった。
気持ち、体力、ともに切れる。
しばらく、後続のランナーに抜かされながらも、歩くことしか、できない。
「これが、魔の35k」
人間、35k以上走れない制限がかかっているのではないかと思えた。
でも、ここまできたら、意地でも、完走。
自分に負けるな!と、再び走り出す。
すると、沿道に立っている少女が
「大きめのお菓子です。がんばってください」
と、かごを差し出してくれた。
なかには、
ビスケット3枚入った小分けの袋。
「ありがとう!」
と心からお礼を言って、食べながら、走る。
これは、効く。
最後の一踏ん張りができそうだ。
そして、なんとか、残り、4kまでたどり着く。
そのとき、無常にも4時間過ぎたことを示す交通規制解除のお知らせ。
目標達成できず・・・。
でも、せめて、4時間30分はきりたい!
足の痛みが慢性的に襲ってくるが、これは、ゴールまで変わらないだろう。
あとは、気持ち。
疲れに負けて歩くか、踏ん張るか。
それだけ。
信号待ちでとまらされることはあっても、
何とか走る。
「残り2kです! がんばってください!」
沿道のスタッフから声が飛ぶ。
また、途中、沿道のおじいさんが、
「今、4時間15分台。がんばれ!」
と声をかけてくれる。
ほんと、ありがたい。
残り1k。
笑って、ゴールしよう。
これで、マラソンが終わってしまうのだ。
と、とにかく、楽しもうと走る。
ところどころ、公認のカメラマンがランナーを撮影するポイントで、
めっちゃ、笑ってみた。
ゴールゲートが見え、
残り、数10メートル。
ダッシュに近いスピードで、両手を挙げ、ゴール!
タイム:4時間25分52秒
ネットタイム:4時間19分33秒(自分がスタート地点を過ぎてからのタイム)
足は、パンパンでも、なぜかすがすがしい気持ち。
目標タイムには、程遠いが、
前半をがんばれば、ペースを少し上げれば、次が見えるタイムでは、ある。
一緒に参加した会社の上司(48歳)は、5時間20分台。
帰りに上司の奥さん、小学生のむすめさんが車で、迎えに来ていただき、
焼肉をご馳走になる。
つらかった。
けど、また、がんばりたい。
それを実感した大会。
参加賞の完走(乾燥)いもを食べ、
今大会の反省と、次大会に向けた対策を立てている自分がいる。
4時間切りは、次の大会(ホノルル?)に、とって置くとしよう。